鉄板焼きとは?
「鉄板焼き(てっぱんやき)」というのは、もともとは調理方法の一つの名称です。
文字通り、鉄板を使って食材を焼いて調理する方法、または料理そのものをさします。
料理としての鉄板焼きの種類はとても幅広くあります。
というより、どんな食材でも「鉄板」で焼けばそれが「鉄板焼き」になるといっても過言ではないでしょう。
代表的なものとしては、ステーキ・ハンバーグ・焼肉・ジンギスカン・もんじゃ焼・お好み焼き・海鮮焼きなどがあります。
また「鉄板焼き」は、鉄板を使って食材を調理した料理を提供する飲食店を指す場合もあります。
鉄板焼き屋さんとか、鉄板焼きレストランなどと呼ばれる飲食店です。
鉄板焼きのお店も、神戸牛などの高級食材を食べられるところから、もんじゃ焼・お好み焼きなどの庶民的なところまで幅広く、老若男女たくさんの人に愛されています。
鉄板焼きはお店で食べるだけでなく、家庭での料理としても楽しまれています。
家族や仲間で、ホットプレートで好きな食材を焼いて食べる鉄板焼きは、手軽に大勢で楽しめる料理として親しまれているのです。
鉄板焼きの歴史
日本では古来より、食物を火で焼いて食べる方法が調理法として存在しました。
その方法は長い間、直接火であぶる調理法でしたが、近代になってくると食材を網の上にのせて火にかける「網焼き」が主流となってきました。
昭和の初期頃までは、木炭を七輪にいれて加熱する方法が一般的でした。
当時は、鉄をはじめとする金属が大変貴重であったため、調理器具としての鉄板はほとんど見られませんでした。
その後、鉄板を使った調理が一般化したのは、戦後の屋台や闇市でのなかのことでした。
飛行機や車などの廃品、いわゆる鉄くずである鉄板を火にのせ、その上で食材を焼いて売った事が「鉄板焼き」の始まりといわれています。
戦後の食糧難の際、少量の野菜を水と粉で量増しして焼いて食べたのが、鉄板焼きの中のもんじゃ焼やお好み焼きの始まりと言えるでしょう。
その後、手に入る食材を手軽に調理して食べられる「鉄板焼き」が急速に人々の間に普及していきました。
現代では、ホットプレートの普及により、家庭でも手軽に楽しめる鉄板焼きですが、前述のような歴史背景のためか、多くは飲食店やアウトドア、お祭りなどの多くの人が集まる場で親しまれているようです。
鉄板焼きの魅力
鉄板焼きの魅力はたくさんありますが、なんといっても焼きたてのものをすぐに食べられることが一番ではないでしょうか?
おいしそうな食材を目の前で、調理してすぐに食べることができる・・・想像しただけでもおいしそうですよね。
鉄板焼きレストランなどで食べる鉄板焼きの魅力は、料理とともに雰囲気も味わうことができるのも関係しています。
目の前で焼かれるおいしそうな食材や、大きな鉄板の迫力、ジュージューと焼ける音や香りなどが、食欲をそそり料理を何倍にもおいしく演出してくれるのではないでしょうか。
また、プロの料理人による絶妙な火加減や、焼き具合などもおいしさの重要なポイントです。
お店やシェフによっては、炎をあげてのフランべや調理器具を器用に操って派手な演出をしたりと、パフォーマンスを楽しませてくれるところもあり、大きな魅力の一つとなっています。
海外で愛される鉄板焼き
「鉄板焼き」は、日本のみならず海外でも「Teppanyaki」の名称で親しまれる日本料理です。
1964年、”Benihana”や” SHOGUN”といった日本料理チェーン店がニューヨークにオープンしたのをきっかけに、アメリカで「鉄板焼き」が日本料理として知られるようになりました。
客の目の前でカウンター越しに料理人が、見事な手さばきで食材を調理しサービスするスタイルは、海外ではとても斬新でした。
そのため、瞬く間に「鉄板焼き」の名が海外で広まり、たくさんの国に鉄板焼き店が進出していきました。
このスタイルは、日本では寿司店などでは珍しくないものですが、ここから発想を得て神戸発祥のステーキ専門店「みその」が鉄板焼きのスタイルに取り入れたのが始まりといわれています。
料理人の職人技を目の前で楽しめる鉄板焼きのサービスは、日本を訪れる外国人にも大変好まれ、日本を訪れる外国人の有名な観光スポットとなっています。
海外の鉄板焼き店では、炎をたたせたり、火のついた調理器具でジャグリングをするなど、料理だけでなく、パフォーマンスをみせるショーとしても人気が高いようです。
鉄板焼きの鉄板の秘密
一口に「鉄板」といっても、料理や食材により最適な厚さがあり、その種類は多種多様です。
たとえば、お好み焼きなどの長時間一定温度を維持させる必要のある料理には、比較的厚みのある鉄板を使います。
逆に、バーべキューやアウトドアの場で、一気に鉄板の温度を上げて調理する料理には、薄めの鉄板を用いるようです。
鉄板は、厚みが厚いほど保温力が高くなります。
そのため、鉄板の温度が長時間に一定に保たれ、食材をじっくり焼くことができるのです。
薄めの鉄板は、火加減が直接鉄板に伝わりますので、エビやイカや焼肉などの薄めの食材を一気に焼き上げる料理に適しているのです。
ステーキから海鮮、野菜などを扱う鉄板焼きレストランでは、大きな厚い鉄板の下にガスコンロなどの熱源をいくつも置き、その位置によって鉄板の温度を変えられるようにしている所が少なくありません。
料理人は鉄板のどこがどのくらいの温度なのかを常に頭に置き、食材や料理によってその場所を使い分けているのです。
鉄板焼きのイメージ
「鉄板焼き」と聞いてあなたはどんなものをイメージするでしょうか?
鉄板焼きの種類がたくさんあるように、人によってもつ鉄板焼きのイメージはさまざまあるようです。
たとえば、ステーキやフォアグラ・伊勢エビなどの高級食材を焼いて食べるや、お好み焼きやもんじゃ焼き・焼そばなどのリーズナブルなものをイメージする人までいろいろです。
また、地方によってもそのイメージは違っていて、北海道では主にホタテやあわび、海老などの海の幸を焼くイメージが比較的多く、中には鮭と野菜を鉄板で豪快に調理する「ちゃんちゃん焼き」をイメージする人も少なくありません。
広島での鉄板焼きのイメージはやはりお好み焼きをイメージする人が多いようです。
関東地方、特に東京の下町や埼玉などでは、もんじゃ焼をイメージする人が多く、そういった意味では、その地方の名産(名物)をイメージすることが多いようですね。
あなたの住む街の「鉄板焼き」のイメージを調べてみるのも、面白いかもしれませんよ。
ステーキ=鉄板焼き?
厚く切った牛肉やポークを焼いて食べる料理をステーキと言いますが、そもそも日本でのステーキの意味は「平らな鉄板のうえで肉や魚を焼いた料理」とされています。
同じ肉を網のうえで焼いたものは「グリル料理」とされていて、ステーキとは呼びません。
つまり、厚切り肉や魚の鉄板焼きが「ステーキ」となるのです。
ステーキとしての鉄板焼きの種類はたくさんあり、牛肉を使ったビーフステーキ・豚肉を使ったポークステーキ・鶏肉を使ったチキンステーキなどは広く知られています。
他には、子羊の肉を使ったラムステーキ・アワビステーキ・マグロステーキ・サーモンステーキなども、鉄板焼き店などでは人気のメニューです。
変わったものでは、豆腐ステーキ・こんにゃくステーキなどもあります。
鉄板で焼くという単純な調理法のため、食材のおいしさがダイレクトに伝わる料理として、ステーキをはじめとする鉄板焼きは長い間たくさんの人に親しまれているのです。
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